曽野綾子さんが昔から好きで、今日は一日中読んでいました。

「この悲しみの世に」という本です。

シャルル=ド=フーコーという方の人生をモチーフに、ある女性を主人公にした小説です。

私は無信仰ですが、シャルル=ド=フーコーと言う人の名前だけは知っていましたので、かなり有名な方なんだと思います。読後に調べてみたら昨年ローマ教皇による列聖式というのが執り行われており、その中にこのシャルル=ド=フーコーと言う方が聖人としての地位をもらったと言うことが分かりました。

物語の中では、若い頃はかなりの放蕩息子だったようですが、従姉との今生の別れのためか、それを機にしたのか、信仰に目覚めサハラ砂漠に入ったような話でした。

人の生き方が180°変わることってありますよね。

その人にしか分からないテコみたいなものがあって、そのテコがすごい作用をして、その人を全く違う方に連れて行くようなこと。

だからこそ、人生って面白い。苦痛が続いていたとしても誰も人生を諦められません。

タイトルは「この悲しみの世に」で、確かに物語の内容はどうにも救いようがないわけですけど、私はそんな明るい捉え方をしてしまいました。作者の意図とは違うかもしれませんが。

昔大学の紅野謙介教授が「人間は真面目にコツコツやんないといけないんだよね。でもね、人生には大どんでん返しもあるわけ。だから面白いんだ」と、ゼミの中でお話しされたことがありましたことと重なって、大晦日ではありますが、新しい気持ちになりました。

今年もご縁をいただいた方々のお陰でとっても楽しい一年でした。

また来年もどうぞよろしくお願いします。