戦争を始めた国があります。

平和な時代には、隣の人のその隣の人の、その隣の人の幸せまでを考える余裕がありますが、

平和ではなくなると、

人はその共感力を狭めていきます。

ずっと向こうの人の幸せまで願うことができなくなって、

自分の命を守ること意外に余裕がなくなります。

それが有事なのです。

どこかの人が死んでしまうことの悲しみとか、哀れみとかを思えなくなり、

いつか自分の命のことさえも、守るべきと感じなくなるものだと思っています。

争いに蝕まれて、感情をなくすのです。

例えば日々弱肉強食の最中にある、昆虫や野生動物に感情がありますか。

そういう場面に生を置いているものにとっては、感情こそが邪魔な生理現象なのだと思います。

人間には、とても広い余白があります。

遠くの人を思いやる感情の生物から、

全てを閉ざして、ただの生物として、ただ生きるのか。

どちらも人間としての生き方です。

環境が人間をどちらに振ることもできると思っています。